essays
ロンダとかミハスなどへ行きたかったが、9時発グラナダ行きの直行便のバスに乗った。日本人の老夫婦が一緒だった。バスの中で見たのだが、男性は英語かスペイン語の手紙を読んでいたのだ!!それなりの達人であろうか?
別れ際に「どちらへお泊まりですか?」と尋ねると、「パラドールで2泊です。」とのこと。パラドールは、アルハンブラ宮殿の中にある最高級ホテルでなかなか予約できないホテルである。そこで2泊とは、はやりその道の達人であろう。
タクシーでホテルに着くと、一泊8,500円ホテルではひどいのでは思ったが、以外にも今までで一番良かった。アルハンブラ宮殿までは歩いて1時間ほどの距離であろうか。休憩ののちホテルを出てアルハンブラ宮殿へ向かう。タクシーの運転への説明が悪くて、ホテルの“アルハンブラパレス”で降ろされてしまった。仕方がないのでフェネラリフェを目指して広い宮殿の中を歩くことにした。
この旅行でもっとも見たかったのは、宮脇さん絶賛の「水の階段」である。とにかく広い敷地で初めは分からなかった。以前従兄弟がアルハンブラ宮殿へ行くというので、そこの写真を頼んだのだがはやり場所が分からずだめであった。
水の階段は、アキセアの中庭の右脇にあるが以前私が訪れた時もわかりにくかった。「アキセアの中庭」や隣の「王妃の糸杉の庭」は後世の西欧による庭園とのことであり、この「水の階段」はアルハンブラ宮殿最古のオリジナルといわれるものである。階段は踊り場が3カ所あり、その手摺部分(30㎝巾)の所をさらさらと水が音をたてて流れる。
廻りは、深い緑でトンネル状になっていて、イスラム王が大臣たちと機密の話をするためにつくられたということであるが、まさにぴったりの場所である。シェラネバナの雪解け水をサイフォンで宮殿に導き、水がいたるところで形を変えて演出されている。見事としか言いようがない。
フェネラリフェで時間を使いすぎ、アルハンブラ宮殿は明日となる。
平成12年5月16日の日記より